アメリカから日本へ一番安い方法で郵便や小包を送る

これは異国に住む者の基本技能として早めに習得しておきたいものだ。まずはUSPSの世界観を理解する必要がある。これさえ押さえておけばよいというコツがなく、一通り没入しないと適切な選択ができないという迷惑な世界なのだ。

大事な時にいきなりやろうとすると様々なトラップによりミスが誘発される。普段からグリーティングカードや小包などを送って馴染んでおくとよいと思う。このエントリではまずは初・中級編としてカードや書類など薄いものを封筒で送る方法について書く。小包は一層難しいので次回の上級編にまとめた。

末尾にまとめあり。

初級編:通常の郵便を送る

これはわりと簡単だ。海外送付用の切手である「グローバルフォーエバースタンプ($1.15/1枚)」を買ってきて封筒の右上に貼って宛名を書いてポストに入れる。普段は大体1週間~10日ほどで届くけど、クリスマスカードがお正月を超えてから届いたことがあるので、繁忙期は早めに出すのがよいのだと思う。そこかしこで売ってるグリーティングカードはこの料金で送れる。フォーエバースタンプとは、料金が値上がりしてもそのまま使える切手という意味らしい。USPSは毎年のように値上げを行っている。

国内用のかわいい切手も使える: アメリカ国内向けのかわいい切手で日本に国際郵便を送る - txhx

宛名の書き方

こちらのサイトが参考になりすぎました。ありがとうございます。この通りに書いていつもきちんと届いている。あて名はいつも日本語のみで書いている。

切手の買い方

グローバルフォーエバースタンプUSPSのオフィスに行って窓口で「I would like a global forever stamp 1 sheet」などと言うと買える。ほか、USPSのサイトから通販で買えるけど、送料が$1.25かかる。通販だと前年のデザインも買える。2016年のThe Moonというやつが2017年のものよりも気に入っている。

なお、スーパーマーケットのカウンターでは国内切手は星条旗デザインのものを1種類だけ売ってたけど、グローバル切手は売っていなかった。

なお国内用のかわいい切手もその時点の国際便の料金分を貼れば使える。国内用2枚と$0.17(2018/1/21以降は$0.15)。

郵便ポストはどこにあるか

集合住宅だと郵便受けコーナーに「OUTGOING」と書いてあるボックスがある。初めての時はかなり不安だったけど、ここに入れておくと日本宛のも無事に届いた。ほか、オフィスビルの入り口やスーパーの駐車場にポツンと立っている。青でUSPSの模様が書いてあるけど、日本の郵便ポストよりはかなり小さくて目立たなく、初心者のうちは探すのが難しい。もちろんUSPSのオフィスに行っても出せる。

最初の頃はUSPSのオフィスに行って列に並んで担当の人にグリーティングカードの封筒を見せながら「I would like to send this to Japan!」と言って、あて名の書き方間違ってないかな~、このカードけっこう分厚いけど$1.15の切手一枚で送れるのかな~など心配しながら窓口から出していたけど、よく売られているカードはグローバルフォーエバースタンプ1枚で問題なく出せることが分かってからは買い置きの切手でアパートのポストから出している。

中級編:書留や速達で郵便を送る

受け取りまでの追跡を付けて大事な書類を送りたい、またもっと早く送りたいと思うと、急に高くなる。例えば2枚程度の書類を日本へ送りたいとき、USPSでは4つのクラスから選ぶことができる。
だいたいはFedEXUPS、DHLなどの民間業者のほうが高いようだ。少し調べてみたらFedEXは$87~$147、DHLは$47~$75だった(思ったより安い)。USPSの高いクラスを選ぶならばこれらも選択肢になるかもしれない。

条件からクラスを選ぶ(安い順)

2以降のクラスだと、送るものが書類でも通関用フォームが必要なようだ。クラスごとに異なるようなので専用封筒をもらうついでに窓口でもらっておくとよい。

1. First-Class Mail International

何かを送りたいとき、ほとんどの場合において一番安い方法は「First-Class Mail International」である。グリーティングカードを送る時と同じ普通の国際郵便だ。

A4やレターサイズを折らない大きさの封筒は「Retail Large Envelopes (Flats)」というくくりになる。書留や速達でなくてよい場合、1オンス$2.29で送れる。つまり「グローバルフォーエバースタンプ($1.15/1枚)」2枚だ。配送日数の保証はないが繁忙期以外は10営業日程度あれば大体届く。重さが気になる時はUSPSオフィスに行けばセルフサービスコーナーの機械で計ることができる。

速達にはできないが、窓口に行けばこれに$14.95で書留(Registered Mail)のオプションを付けられる。上の$2.29と合わせると$17.24だ。

封筒を自分で用意する必要はあるが、宛名の書き方は上で紹介した通常の郵便と同じだし、切手も使えるし、書類なら後述の通関用フォームもいらず、手間的にもだいぶ楽だ。

このクラスは重さは4lb、大きさは三辺合計36inchまでという制約がある。紙以外、つまり小包を送る場合は窓口で通関用フォームをもらって書くのが無難だ。これは次回上級編で詳述する。その他の大きさ・重さの価格は Quick Reference—First-Class Mail International & First-Class Package International—Retail で見ることができる。(この欄での日本の Price Group は「3」)

2. Priority Mail International

日本のレターパック(エクスパック)のような形の専用封筒で送る「Priority Mail International」の「Flat Rate Envelope」は書留つき、配送日数 6-10 business days で$30.95。

Envelope 以外のサイズでも Flat Rate があり、中箱$67.95、大箱$88.95。詳しくは Price List 参照。(この欄での日本の Price Group は「3」)
配送に必要な日数が First-Class とあまり変わらないので、書類を送る時にはあまり使いどころがないクラスかもしれない。このクラスを使うことになるのは First-Class で送れない4lb以上の小包を送る時だ。

3. Priority Mail Express International

上と同じく専用封筒で送る「Priority Mail Express International」の「Flat Rate Envelope」は書留つき、配送日数 3-5 business days で$61.5。
書類の発送だとこのクラスが選ばれがちだ。先日利用したときは発送の3日後に届いたし、届くまでの追跡ができた。確かに早いが書類2枚で$61.5とはガックリ来る。小包の値段は推して知るべしである。その他の重さの価格は Price List 参照。(この欄での日本の Price Group は「12」。スクロールした下のほう。)

4. Global Express Guaranteed

一番早い「Global Express Guaranteed」は書留つき、配送日数 1-3 business days で $80。
フラットレートはないが専用封筒と専用の宛名用紙が必要で、これは窓口に言うかUSPSのサイトで注文しないともらえないかも。USPSオフィスの置き場では見かけなかったように思う。その他の重さの価格は Price List 参照。(この欄での日本の Price Group は「3」)

Flat Rate Envelope の出し方

USPSオフィスに置いてある、日本のレターパック(エクスパック)のようなやつが「Flat Rate Envelope」の専用封筒で、これ自体は無料でもらえる。Expressは青($61.5)、Expressなしは赤($30.95)だ。値段が倍違うので気を付けたい。

国際便とアメリカ国内便で専用封筒は共通だが、宛名の書き方が異なる。アメリカ国内便だと専用封筒に直接宛名を記入するだけだが、国際便だと送るものが書類であっても通関用フォームと宛名が一緒になった複写式の用紙が必要なようだった。これは用紙置き場には出ておらず(たまたま無かっただけかも)、窓口でもらった。使いたい方の Flat Rate 封筒をもって窓口で「I would like to send this to Japan」というとよい(青と赤で違うようだ)。さらに「This is my first time!」と言うと丁寧に教えてもらえた。実際には用紙の薄いグレーになっているマスを埋めるだけである。具体的には双方の住所氏名と内容物の名称、数、金額、発送者のサインを書く。

記入ができたら再び窓口に行き、お金を払って完了。もう一度列に並ぶ必要があるかは担当者の裁量による。書けたらすぐに処理してくれる場合もあった。クレジットカードで決済をする場合はなぜかIDが必要なようだ。

初心者を陥れる数々のトラップ

インターネット割引はいつの間にか消滅

以前はUSPSのサイトでラベルを印刷して前払いすると窓口価格であるリテール価格よりも5%ほど安いコマーシャル価格になったらしいが、2016年あたりでその仕組みはなくなったようだ。諸行無常

窓口の上の看板に「First-Class Mail International」がない

USPSオフィスの窓口の上には価格表の看板があるが、International Shipping の選択肢は高いほうから3つしか書かれていない。一番使いたい First-Class の記載がないのだ。うちの近所のオフィスだけかもしれないけど。
初心者はひるんで『「First-Class Mail International」って、今はもうなくなったのかもしれない…』などと思ってしまうのである!ちゃんといまもある。(2017年10月現在)

役に立つがどことなく難しい公式情報

たどり着いて世界観を理解するとスラスラ読めるようになる価格表とマニュアル。しかし初心者のうちは自分が利用すべきクラスや自分に必要な情報が何なのかが分からず、これらになかなかたどり着けない上に読み解くのも難しいという矛盾を抱える。

特に Price List の First-Class Quick Reference は有用だ。
またマニュアルの左サイドバーの「2 Conditions for Mailing」をポイントし、利用したいクラスをクリックすると「Dimensions」の項目に 重さ・サイズのリミット が書いてありこれも大変有用。さらに「2 Conditions for Mailing」>「利用したいクラス」>「Mail Preparation」で使用すべき通関用フォームの番号まで調べることができる。何でも書いてある。USPSサイトのここぞというところにマニュアルへのリンクがあったらいいのになぁ。

まとめ

それぞれの料金表にリンクしています。Price Groupは上述の各項参照(3か12)。2018年にはまた$2.5ぐらい値上げするみたいだ。