ダラスに家を買いました

湖のことが好きになり、ある時、このあたりにだったら家がほしいなと思い始めた。 湖の虜になり、忠誠を誓う手段を探していたのかもしれません。

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湖・夕陽・飛行機雲・天使のはしご

結果、1週間で気に入った家が見つかった上に予算内でオファーが通りだいたい1か月でクローズできた。全体を通していい体験をしました。ダラスのことがもっと好きになった。

時系列で書きました。長いけど一記事に書いたほうがページ内検索できるし情報を探している人にはきっと便利だろう。

Redfinをみる

インターネットの力を信じているので、Redfinで「この家について問い合わせる」ボタンを押した。
凄腕のエージェントと秘密の宝石物件を探し当てたいという感じではなく、インターネットの力でみんなにどれくらいのチャンスが与えられているのかなという感じで挑んだ。なんのコネもないのに家が買えるのかは疑問だった。

バイヤーズエージェントがアサインされた

ボタンを押した瞬間にRedfinからアサインされた。感じが良く親切でよかった。ファーストタイムバイヤーを得意としているとのこと。
Step by Stepで何するか知らせるので家を買うところまで一緒にたどり着きましょう~という感じでスタートした。
最初の会話で、いまはクレイジーセラーマーケットでだいたいのセラーは複数のオファーを受け取ってるから、ネットに載ってる値段より上乗せしないとオファーが受け付けられないかもしれないよという話があった。

まず最初にプリアプルーバルを取ろう!

そう言われ、エージェントの紹介でローカルバンクの人をアサインしてもらった。感じが良く親切でよかった。
クレヒスのチェック、W2、バンクステートメントなどを提出し、当日すぐもらえた。

つぎに、お気に入りのリストを作る

求める条件は湖まで自転車で行ける、ある程度安めの戸建て。数えるほどしかないので全部お気に入りにした。
あとは実際に見て、外装・内装と間取りを受け入れられるかだ。家自体を選ぶ条件はかなりゆるい。

内見に行く

Top5のリストを送ってとのこと。 エージェントにTop5と予備5つほどのリストを送ったところ、レビューしてくれて、これは現金一括のみ、これはもうオファー締め切り済み、などの理由でだいたいがはじかれた。残ったのは4つ。予算低めで探していると、普通の住宅ローンで買える物件は限られているんだなという印象を持った。

連休明けに4つを内見へ

  1. 唯一の3bed2bath。外がレンガで好み。内装は古いが統一感があり自分にとっては悪くない。
  2. かわいく新しいリノベ済み2bed1bath。文句はないが1とほぼ同じ値段。
  3. ふつうの2bed1bath。値段も手ごろで文句はないが1のほうが好き。
  4. 小さい2bed1bath。完全に予算内で文句はないが1のほうが好き。帰宅するころには売れていた。

オファー

1を気に入った。不思議な間取りだ。寝室はほどほどの大きさでリビングがやたらめったら大きい。その場でオファーすることを決める。その後も近くに似た間取りの家を見かけたので、もしかするとこの年代に流行った形だったのかもしれない。

内見から帰宅したあと、エージェントからセラーに提出するオファーレターが送られてきたのでサインして返送した。
オファー金額はエージェントと相談して、他のオファーがないみたいだし、一回聞いてみよっか?ということでリスト価格よりいくらか低い値で入れてみました。マジの売り手市場だと聞いていたので、こんなことある?と思ったけど。よくよく売買履歴を見たらもっと低く入れても通ったかもと思う。そこは私のつめの甘いところです。doaちゃん(友達)だったらもっとえぐい値切りをしたと思う。

カウンターオファー

翌日、カウンターオファーとしてリスト価格から多少値引かれた値が返ってきた。私が希望した額よりは少し高かったけど、え、初オファーで買えるの!?というところにまず驚いた。
金額はさておき、売り手市場と言われている中で、出ていた値段より安くオファーが通ったという事実は今後永遠に私を励まします。体験がいい。

何か人気がなかった理由があるのかと思ったけど、セラーからのdisclosureでは瑕疵の開示はなかった。
うるさい通りに近いのは気になるけどしかたない。その家は昔からそこにあり、そこで暮らした人がいるという事実は私を励ましました。
カウンターオファーにサインしてエージェントへ返送。

モーゲージ(住宅ローン)選び

似てるものを沢山の選択肢から選ぶのは得意じゃないので、一括見積もりサイトは使わなかった。
Allyのレート画面を眺めて自分が納得できる金利を決めて、ローカルバンクでその金利の見積もりを作ってもらい、AllyとOrigination Pointsをマッチしてもらうことで最初の見積もりから500ドルまけてもらってそこに決めた。ローカルバンクのほうがほんの少し高かったけど、こんなもの素人がうまくまとめられるはずがないので最初から弱腰だった。

基本的には最初からエージェント紹介のローカルバンクの人を頼りにしていたが、なかなか見積もりが出てこなかったので定期預金を置いてるAllyにも連絡した。

Ally Home LoanはWebがわかりやすい。費用や手続き一覧が細かく確認できて理解の促進にはすごくよかった。見積もり金額にも魅力があった。総クロージングコストは一見高く見えたんだけど、ローンコストは低くプリペイドが多いためAPRは低くなっていた。でも評判をちょっと検索するとミスはあるし担当者と連絡が付かない、クロージングの日程が何度も延びたなどの気になるレビューが直近にもあり、実際すでにアップロードした書類をまだもらってないとか、なぜかクレヒスのチェックがうまくいかないと言われるなどのIndicator of Compromiseが見られたのでひるんでしまった。Hidden feesはないとうたっていたが、本当にそうか、限られた時間で確認し納得することが私にはできなかった。想定通りに機能するならば、用意されている体験自体には魅力はあるが自分で試す勇気がなかった。クリティカルトラブルが起きてイレギュラールートに入り、問題が永遠に解決されないアメリカあるあるの光景が見えたため、利用するのをあきらめた。ごめん!クロージングオペレーション以外のところ、金額や体験は魅力だったので次回は使うかも。

メインバンクのバンクオブアメリカにも連絡したけど、アサインされた担当者とは気が合わなかった。英語が流暢ではない私に対してあからさまに面倒くさそうだったし、クロージングの日付がもっと先じゃないと無理とプリアプルーバルも何ももらう前から何度も言われ、やりづらかったので私のことは忘れてもらうことにした。何も出てこなかったわりにクレヒスのハードプルは速攻でかましてきて損した気分。どうか私のことは忘れてという連絡をしたら返事も来ず、おまけにその後その人の名前でダイレクトメールが来たりして体験が悪かった。Not for me とはこのことだ。口座開設の時の担当者はすごく親切だったから本当に人によるみたい。

モーゲージ レンダーとレートの決定(交渉も)

結果、比較という比較もしていないけど、エージェント紹介のローカルバンクに決めた。
エージェントと担当者のリレーションがすでにあり、地元の銀行ということでクロージングがうまくいく可能性が高く見込めたこと、時期的にレートが十分低かったので頑張って底値を拾うという感じでもなかったことで楽観的に決められた。どこでもだいたい同じなら地元の企業がいいかという気持ちもあった。

ローカルバンクの見積もりはクロージングコストもレートも最初から十分値ごろに見えた。当然だ。あとで分かったんだけど、この見積もりの総クロージングコストにはHidden feeがあり、なおかつデポジット分が誤って2回引かれていて実際の支払額より何千ドルも安く出ていた。詳細は後述。

さて、この時点では総コストの罠には気づいていないが、レートをロックするためにはここで進めますという宣言をしないといけないらしかった(本当かな?)。交渉も値切りも好きではないんだけど、後で交渉すべきだったとうじうじ後悔しないように「1ドルでもいいからまけてくれないか、初めてのモーゲージでディスカウントを受けられた、その事実が私を30年間励まし続けるから、たのむ~~!」という手段の目的化まるだしの泣き言でAllyの見積もりのほうが安く出ていた項目(Origination Points)をマッチングしてもらって最初の見積もりから500ドルほどまけてもらって決めた。

500ドル、すごく大きいはずだけど前後の見積もりを見比べても誤差にしか見えなかったが本当に交渉しておいてよかった。だって30年だよ。30年、私は500ドルおまけしてもらったんだと思いながら過ごせるんだよ。ばかばかしいが大事なことだ。(この時見てた総額の表示は何千ドルもまちがっていたのだけどね)

ちなみに、見積もりを沢山のレンダーから取ると、その数だけ様々な想像力の限界を突破する色とりどりの誤りが必ず入っていると思うので、それもあって沢山の見積もりを見るのが嫌だったのですよね。

また、おそらくどこかのレンダーが突出して高いということはあるだろうけど、安くなる項目ってほとんどなかったので、レートが同じならどこかのレンダーが突出して安いということにはならなそうに思った。最初の見積もりから値引きしてもらうという体験は心の安寧のためにあるといいけど、最終的なクロージングコストはどのレンダーもだいたい同じくらいに落ち着く気がする。決めた後に発覚した見積もりの誤りやHidden feesのせいで、一時はローカルバンクのほうがかなり高く見えて結構狼狽したんだけど、情報が十分そろった後に確認するとローカルバンクとAllyではローカルバンクのほうが数百ドルほど高いというくらいの違いしかなかった。

多くの場合はどこの業者のミスり度合いが比較的マシなのかという観点になる気がする。レートが動いている局面では昨日決めておけばどこの業者に決めたって数千ドル安かったじゃんみたいなタイミング次第なところもあると思う。見積もりは十分に魅力的だったAlly Home Loanのオペレーションの成熟が待たれる。

金利を決めるにあたって

Ally Home Loanの見積書は最初から共通のフォームで出てきてすごく見やすかった。また金利の決定についてはすごく体験が良かった。画面には常に最新のレートが表示されていて、またOrigination Pointsを使ったレートの調節を自分で選択していろんなパターンの見積書を生成し比較できる。もしAllyで進めると決めるなら、Webサイト上でタイミングを見計らってボタンを押すことで自分で納得するレートをロックできるので、自分にとってこれがベストな選択だと納得しやすいと思う。金利に注意を払う必要がある時期はそこは魅力になりそうだ。私が注意深く見ていたのは一週間程度だったけど、その中でも例えば金利を3%にするためのOrigination Pointsがほぼ0の日もあれば、0.43%かかる日もあった。物件の価格が大きいと上下する金額も大きくなり、一喜一憂の原因になりそうだ。苦手な作業だ。 このようなWebサイトを持たないローカルバンクとのやりとりでは、細かい条件でいくつも見積もりを作ってもらうことは不可能そうだったし、共通フォームの見積書もあとの工程まで出てこなかった。すべての工程で時間がかかったので、ローカルバンクとのやりとりだけでこれが自分にとってベストな金利(とOrigination Points)だ!と納得するためにかかる労力は大きくなりそう、またはそのように確信することそのものが難しそうだった。

自分はAllyの画面を見つめて金利について納得感を得て、地元の銀行にその金利で見積もりを作ってもらい、Origination Pointsをマッチしてもらうことでレート決定の体験をよくすることができた。Allyにフリーライドしてしまったが定期預金はこれからも使うので許してほしい。

モーゲージ交渉のポイント

こちらのブログがすご~~~~く参考になりました。ありがとうございます。
https://yasutomotomita.com/?p=3907=

書いてある通り、税金・保険・ほかの作業者に払う金額はいくら安く見積もられていても最終的には正しい値を払う必要があるためこだわってもしょうがない。レンダーと交渉して値下げしてもらいやすい項目はローンの手続き費用(Connection with Loan, Application Fee, Processing Feeなどと書かれている)か、Origination Pointsだと思います。

Origination Pointsは日ごとに変化するんだろうけど、Allyで必要ポイントが少ない日の見積書をダウンロードしておいてローカルバンクでのマッチングにはそれを見せたのだった。タイミングが合わないとこのようなマッチングはできないかもしれません。
またAllyはローンの手続き費用(Application Fee, Processing Fee)を無料にするキャンペーン(たぶん口座所持者向け)をやっていたので、うまく切り出せばApplication Fee, Processing Feeでも多少マッチしてもらうことができたかもしれません。両社の明細を項目ごとに比較してどっかAllyのほうが安いとこないかな~~と探したために、AllyのほうにApplication Fee, Processing Feeの項目がなかったことからこれが$0であることを見つけられず、交渉のタイミングでテーブルに乗せることができなかった。この点はちょっと悔やまれる。AllyのほうにApplication Fee $0って書いてあったらもっとよかったな~。

交渉がだるい、好きじゃないという人も、簡単にWebサイトから取得できるAllyの見積もり明細を送って「AllyはApplication FeeやProcessing Feeを$0にするキャンペーンをしてる、そちらでもなんかディスカウントしてくれませんか?」というのは言いやすいかもしれません。なお、Allyの見積もりはローカルバンクよりPrepaid taxがすごく多く盛られていて(逆?ローカルバンクが低く出していたかも?)、クロージングコスト総額で見ると一見すごく高く見えたので注意が必要かもしれません。

しかしやっぱりローカルバンクの見積もりはぐちゃぐちゃ

そうよね。きっとこの見積もり手で書いてるもんね。手っていうかExcelとかで。

ローカルバンクで行くことを決めたものの、休日に見積書を見直していて変なところに気が付いた。計算枠の外に書かれている数値があるし、手付金(earnest money)として前払いした金額が2回書かれており、支払総額からは実際に2回分引かれている。総額の値は、本来必要な金額が含まれておらず、本来得ていない金額が減らされていたことになる。その差額なんと数千ドル。

わざとじゃないにしろ現実とは異なる低い見積もりを見せられローカルバンクに決めたってこと。ここまで極めて順調だったのでやれやれ…来たなHassle、待ちくたびれたぜという感じでしたが、不要なものが不当に加わっていたわけではないし、担当者もレスは早いので受け入れた。完璧な手続きなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。つまり順調な進行をあきらめたのだった。どのルートも地獄なんじゃないのか。

なおこの見積もりエラーについてCreditを求めてみたけど(だって数千ドルの不当に安い見積もりだよ!?FTCも黙ってないよ)「間違ったことはごめんけどもう十分魅力的な提案になってるやろ」と言われ出てこなかった。しっかりしている。失敗原因で一度値引くと失敗するたびに値引かないといけなくなっちゃうからね。わかる。でも私がCreditほしいと言ってみたこと自体はどうか許してもらいたいよ。数千ドル分ぬか喜びさせて私の気持ちをもてあそんだじゃん。数日経っても4回リマインドしても正しい見積書送ってくれないしさ~。

さて、ここでこのローカルバンクとは一蓮托生となり、今後起こるすべての出来事を受け入れる覚悟を決めたのだった(覚悟完了)。さっそくその後送られてきた資料の数字も全然想定と違った。なぜ違うのか、聞けば説明してくれたけど聞く前に教えてはくれないのか。(Origination Pointsがすごく高くなっていて(おそらくその時点のポイント?)、これはクローズ直前のDisclosureで合意済みの値に修正されるのだということでした。忘れているとスルーされる口約束トラップだ。アメリカで頻発するこれ本当に嫌いだ。)

インスペクション

通常はオファー後すぐに行うことが多いようなので、遅く実施したほうかも。 7/15以降でないとガスの元栓が開けられないということで、オファーをしたのは7/7だったがインスペクションは7/15に実施されることになった。インスペクション自体は9:00からやるけど、11:30ごろには終わってそれから説明するからそのくらいに来てということだったのでそうした(検査自体に立ち会うこともあるみたい)。インスペクターは自分のエージェント紹介の人でしたがそこそこやってくれていて、ファウンデーションはそりゃ少し歪んでるけど築年数を考慮すると常識の範囲内、ほかマイナーエラーがいくつかあるけど古いわりにはまあいいと思うよ、自分の感覚ではね、ってことでした。ホームオーナーズ保険加入にあたって重要になる屋根については2020年にリプレース済みで登って撮ってきた写真を見せてもらったけどきれいなものでした。生活するにあたって直したほうがいいのはバスルームの蛇口がシャワーに切り替えても両方からどばどば出るところくらい。

ここで結果によっては購入を辞退することもできるようですが、このまま手続きを進めることに決める。翌日ゆっくり30ページほどの報告書を読んで、セラーに修理依頼をする項目を決める。エージェントによると、このあたりの商習慣ではクリティカルな項目だけ依頼するとのことだったけど、どれがクリティカルか見分けがつかなかったし、どの程度直してくれる気があるのかもわからなかった。なので見た目の項目以外の、安全と機能についての項目をすべてリストしてセラーへ提出した。リストはインスペクターの会社のWebサイトで簡単に生成できた。 そしたら「家の値段をまけてやったんだからそっちで直してよ!」と言われ「いや家の値段をまけたのと修理するかどうかは関係ないだろ、直す気がないなら最初から”AS IS”って書いとけよ、シャワー使えねーでしょ」というのをもっと丁寧な言葉で伝えてもらい、2往復ほどして、もらったら嬉しいおこづかいくらいの額を修理代金としてもらえることになった。シャワーは直せそうだ。私のエージェントに意見を聞いてみたところ「このセラーマーケットの中で家の値引きを受けられることはまれなので相手の言い分もわかる。でもシャワーは直したいよね」とどちらにも理解を示していた。ここでもdoaちゃん(友達)だったらもっとえぐい金額をもらっているだろうなと思った。

ホームオーナーズ保険、ホームワランティ保険

ある時点でホームオーナーズ保険を決めろといろんな人(エージェント、トランザクションコーディネーター、レンダー)から催促された。自動車保険に入っているTravelersではなんとテキサスではホームオーナーズ保険をオファーしないらしい。どういうことだよ。まあとにかくテキサスって自動車保険も家の保険も高いらしい。いくつか見積もりを取って、どうせ小さいことではつかわないので家の建て替え費用を高く保障してもらえるところで免責を上げて月額を下げたものに決めた。屋根のAgeや材料を詳細に聞かれたのが印象的。

また、アプライアンスが保障されるホームワランティ保険というものにも入るらしい。セラーが1年分程度の金額をくれることになっているらしい。プロバイダーはバイヤーが選ぶ。エージェントからの紹介があったところで古いエアコンもカバーしてくれるプランに入った。ほんのちょっとだけこちらの持ち出しがあったけど。よくできた価格設定になっていて感心する。

アプレイザーが見つからない

売買件数が多くて忙しいということなのかな。ローカルバンクから、アプレイザーが見つからないという連絡があって、追加110ドルで遠方からも探せるんだけど追加費用を承認しますか?と言われた。今言う?それ。遅くない?見つからないの私のせいか?私が払うのそれ?とまあいい気分ではなかった。
私はクロージングの日を後ろにずらしても何の問題もなかったので、エージェントにアプレイザー見つからないらしいけど追加費用払いたくない、急いでないからクローズ延期する?と相談してみたところ、エージェントがローカルバンクの担当者と話してくれて、なんと次の日には無事アプレイザーが見つかりアサインされたのだった。クローズを延期する必要はなくなったが、このやりとりは何だったんだ?

しかもこの時、ローカルバンクからは金利ロックが現時点のクローズ日までになっているので、延期になると再度金利ロックの手数料がかかる場合がありますと言われまたいい気分ではなかった。いやまあそこそこの額を借りるのであれこれあるとは思うけど、私は何も悪くなくない?アプレイザルの遅れによるクローズの遅れを避けるために私ができたことってなくない?なのになぜまた私が余分な手数料を負担しなければならないのか?とまあとにかくいい気分ではなかった。そしてその時にはアプレイザーがアサインされましたとだけ連絡が来ていて、後日しれっと遠方出張費の請求が来たんだよな。このバンク担当者とのやりとりはかなりむちゃくちゃ。

アプレイザルの結果

強気のリスト価格で少しのあいだ市場に残ってしまっていたと思われるこの物件ですが、アプレイザルの結果はちょうど元のリスト価格よりは低く、自分の購入価格よりは高いという私にとってすごく都合のいい結果が出たのでした。ありがとう。体験がいいです。

まさかの進行ミス(クローズ日が早まる?)

Closing Disclosureという金額の明細が書かれた書類がクローズ日の3日前に出るということで、それが7/26にサインせよと送られてきたから早くないか、おかしいなと思ったんだよな。このローカルバンク担当者から出てくる書類には全てに必ず誤りがあったのでこの時もすぐに内容を確認し、クローズ予定日は8/某日のはずが8/3と書かれているのを見つけた。イージーすぎる、最初の項目だよ。すぐに「クローズ予定日は8/某日だよ、次こそは正しい書類にサインさせてくれよな」と返信し、「あ~8/某日だったね、次のバージョンで直すからこれにはとりまサインしてな」と返ってきた。正しくない内容でも「受け取った」という意味でサインするらしい。書類にも内容を承服したことを示すサインでなく、書類を受け取ったことを示すサインですよと書いてあるが、これが本当にストレス。次こそは正しい内容の書類にサインさせてくれよな。

エージェントにもクロージング8/某日だよね?間違ってたよと伝えて、この人もそうだね8/某日だね、あとで話しとくと言っていた。ここでも促されたのでサインして返した。そうしましたらば、8/2の朝にエージェントから「レンダーが8/3のクローズで進めてたみたい、まじ?どうする?どうしたい?(あちゃ~のemoji)」とメッセージが来たのだった。

8/3の予定を聞かれ、どうしてもといわれれば時間を作ることはできるがそうしたくはない、またどうしてもそうなった場合、私はおそらく利子や保険の日割りを多く払うことになるが、それを誰が補填してくれるのか?私の望みはこれ以上Additional Feesを払いたくないということだけだと伝えてコーディネートしてもらった結果、8/某日にクローズ実施となった。ちょうどメールをやりとりしていたローンプロセッサーという役割の人に聞いたら8/某日クローズだと思って作業しているので8/3は無理だよと言っていた。セラーは8/3にクローズしたかったみたいだから、どうやって調整されたのか。誰が頑張ったのか私からは見えなかったけど、最後までギリギリでリカバーできる範囲に収まるミスを繰り出してくるこのバンク担当者には恐れ入った。芸術点が高い。

頭金の支払い

前日までにクロージングコスト表で出た金額のお金送っといて!とのこと。1年分前払いしたホームオーナー保険がまだ払ってないものとしてエスクロー金額に含まれていたり、もうこれ指摘するの2回目ですが…というようなマイナーエラーがありつつも修正してもらい、何とか金額が固まって確認もできて前日にWire transferでクローズ金額を送金した。多少緊張したけど、アメリカに越してきて最初に投資口座にお金入れるときみたいな感じだったかな。

クローズは超あっさり

8/某日、タイトルオフィスと呼ばれるところにエージェントとタイトルオフィスの人と3人で集まった。セラーはおらず、旅行に出かけるので先にサインしていったとのことでした。それで急いでたのね。

サインする紙は前日までにPDFでもらっていたので内容は何とか理解できていた。サインする前にタイトルオフィスの人がひとつづつ内容を読み上げてくれた。自分の万年筆でサインをしたいと思って前日にインクを変えて準備していたんだけど、当日はインクが出なくて使えなかった。テキサスと万年筆は相性がよくないことで知られているが、自分の間の悪さを象徴する出来事に思えた。

小さいシャンパンで口をつけるだけの乾杯をしてもらい、サインして、記念撮影して、書類と鍵を受け取って、小一時間くらいか。あっさりしたものでした。この日にクローズできるのか、当日まで本当に分からなかったので実際に鍵をもらった時は本当にほっとした。

賃貸の退去と引っ越し

家賃激安の築古限界アパートに住んでいたんだけど、そこのオフィスはわりかしナイスな感じで、家買ったから早めに退去したいんだと言ったらすごく喜んでくれて、その日に60日間前通知を出したとして退去できることになった。350ドルほど早期退去の手数料を払ったけど、そもそも早期退去のオプションがない場合もあるし、かなり軽傷で済んだほうじゃないかな。2月の寒波の水道管破裂で多くの部屋が住める状態じゃなくなり、仕方なく早期退去した人がたくさんいたことが関係あるかもしれない。

1カ月ほど賃貸と買った家がかぶっていて、その間余分な家賃を払ったことになるけど、クロージングが予定通りいくのか本当にクローズ日まで分からなかったのでゆとりがある日程で引っ越しを計画できて助かった。かなり気が楽だった。

アメリカに来て最初に住んでいたアパートは早期退去のオプションがなく、自分でサブリースの相手を探してこいと言われなかなか大変だった。(ルームシェアを始めるために早期退去をしたかった)
その時はFacebookの地元掲示板でSublease、Lease Take overしてくれる人募集という感じで多少のクレジットをつけて人を探して代わりに住んでもらった。多少の手数料を払ってもサッと退去できるならそれに越したことはないなと思った。賃貸契約終了時期に合わせていい物件を見つけるなんてことができるわけもなし。

買った家もだいぶ古いんだけど、引っ越しを済ませた後に賃貸の部屋をあらためてのぞくとその限界ぶりに驚く。よくあのようなところに住んでいたものよ。確かに快適だと感じていたんだけど。不思議なものですね。

住宅ローンの支払い

クローズ後、速攻であなたのモーゲージモーゲージサービス会社に売却されましたという手紙が来た。次(初回だけど)からそっちに払ってね、保険会社に変更の連絡しといてねと書いてあった。ローカルバンクのWebサイトは作りが心配だったので、しっかりしたWebサイトの会社に移ってよかったなと思った。支払いはクローズの翌々月からのようだった。さっそく初回の支払いを済ませると、残り359回と表示された。

時系列はここまで。ここからは読み物です。

セラーと家について

セラーは投資カンパニーのようで、今回の売り出しに当たってリモデルはしなかったみたいだ。これはありがたかった。屋根やカーペットは変えてくれたみたいだけど、リモデルされていたら予算から出ていて買えなかっただろう。内装は白中心の無難な感じで、賃貸に出していたのかなと想像させる。長い間ホームオーナーが住んでいた物件はなぜか壁の一部に岩が埋まっていたり、一か所だけ緑や紫だったりするので、そういうのがなく嬉しく思えた。自分の予算帯でリモデル済みの家もあるにはあっていくつか見たんだけど、どれも画一的なぺらいやつになっていて、きれいで使いやすそうではあるが初めて購入する自宅としてはピンとこなかった。もう少し予算を上げるとリモデル済みでぺらくないのもあるんだけど、自分で住むだけなのにあまりよくばってもね。

湖周辺には明確な結界があり、自分の予算帯で検索しても湖周辺数km以内は見事に1件も出ていなかった。自分の予算帯では湖から少し離れたエリアにやっと①リモデルされたぺらいすこし高い家②リモデルされていないやばい家③少し小さめの家がようやく出てきてそこから選ぶ感じだったんだけど、リモデルされていないギリこのまま住める家が見つかったのでよかった。単に飾り気がなく古くさいとも言えるけど、外国人の私にとっては薄味のオールドアメリカンスタイルとして好ましく思える内装だった。むかし会社の人の親が所有する軽井沢の別荘に連れて行ってもらったとき、佇まいや家電が一昔古くてこんな感じだったなと思い出した。

この家をオファーしてからもしつこくねちねちと湖周りの物件情報を見ているんだけど、自分が買える価格帯の家はここのほかにはたった一つ出ていたのを見ただけで、それは数日で交渉中になって売れてしまったのでたぶん自分では買えなかっただろうと思う。ず~っとねちねち見てるけど本当にない。予算が低すぎるんだろうけど。とにかくラッキーだったなと思う。

ダラスという街

今回の家購入の一連の流れを通して、ダラスという街を今まで以上に好きになった。みんなちゃんとここに住んで、仕事をし、自分の人生を送っている。街に息づく人間の密度を感じた。

直前まで住んでいたの賃貸の部屋はイーストダラスにある家賃激安の築古限界アパートだけど、管理オフィスやメンテナーの仕事ぶりは好きだった。契約時のリース担当者からはインクルージョンを感じられたし、普段からごみが落ちていても気が付けば拾われているし、植木や芝はいつも手入れされていて感じがいい。 2021年2月には歴史的な寒波のせいで何日も停電し、そこらじゅうの水道管が破裂して10日以上断水になったけど、その時もオフィスの対応は誠実だったと思う。充電や暖を取るためのバスを呼んだり、簡易トイレの設置、飲み水の配布(なんと夜の10時にドアの前までボトルを持って来てくれた)などなど。近所の人も感じがよく、たまたま断水してない棟の人が水を汲んで分けてくれたり、かわいい雪だるまを作ってる人と写真を撮ったり、なんだ、いいじゃないかと思うことが何度もあった。この辺に家を買ってもいいなと思ったのはそういう体験がベースになっている。

良いようにとらえすぎかもしれないけど、住んでいたアパートの人たちに加え、今回のエージェントもローカルバンクの担当者(ミスは多かったが)も私のことを右から左に流れる商売のピースとしてではなく素朴に家がほしい人として接してくれており、インクルージョンが感じられ、軽く扱われがちな私にはありがたかった。時々感じる、英語が下手なことやアジア人であることからくる疎外感や軽んじられている感覚は全くなかった。BoAの対応だけがまさにそれだったんだけど。

テキサスに住むこと自体にはいろんな思いがある。報道を見ているととんでもないことばかりだ。でも私が入り込める仕事はここにしかなかったし、縁があって局所的に湖を気に入ってしまったこと自体はしょうがない。せめて自分のできる範囲で、いい隣人でありたいとは思うかな。人は生まれ育つ場所を選ぶことはできないのだし、望まれた最善の状態ではないにしろいろんな理由でテキサスを大切に思っている人もたくさんいると思うので、誰かが大切に思っているかもしれないもののことをそんなに悪く言いたくはない。私は大阪・新今宮が地元なので、自分ではどうしようもない生まれ育った場所をいろいろ言われる不愉快さは身に染みているつもり。実際とんでもないところだったから、面白おかしく話してしまうこともあるけどね。

お金の準備

USに来てからは一般人のセオリー通り、401kやIRAを優先し余った分は課税口座でインデックスファンド、エマージェンシーファンドはAllyで定期預金という生活を送っておりました。 「余った分は課税口座でインデックスファンド」の部分が頭金になりました。ありがとう、ジョンボーグルさん。あなたのおかげで家を買えました。きっかけは湖だったけど、頭金として機能する額が溜まり始めたころからうっすらと家が欲しかったんだと思う。

現金の準備がカツカツだと全体を通して体験が悪くなると思うので余裕を持つに越したことはなさそうだ。見積もりにミスやHidden feesがある確率は200%以上だと思う(2回以上発生する、または1回発生した後にもう1回以上発生すると言いたい)。Allyがいいなと思ったのは、書類に計算ミスがなさそうだからなんだよな。

あと今回VanguardからAllyに現金を移したのだけど、7/9に送金して7/21までかかったので心臓に悪かった。祝日のせいかな?お金の移動も先回りでやっておくのがいいと思う。頭金のお金をギリギリまで投資口座に入れているという状況は一般的ではないと思うけど、急に買うことに決めたのでこんな形になってしまった。

家を買う人向けのe-learningコース

レンダーから、Homebuyer向けのe-learningコースを受けて修了のCertificateを送ってもらわないとローンの手続きが進められないといわれ「CreditSmart Homebuyer U」というものを受講した。何日もかかって大変だったが興味深い内容だった。
https://creditsmart.freddiemac.com/paths/homebuyer-u/

家の購入を検討されている方は先んじて受講されてもいいかもしれません。ローンを組むと元本だけでなく利子も払うんですよという概念から始まり、ローンを組むときの登場人物、ローンを組むときに必要な手続きなど当地での商習慣についても丁寧に説明してくれていました。クレカの残高は利率が高いから何をおいても先に払えよ的な話や、よくある詐欺の手口の解説もあり、アメリカでの金融リテラシーの基本のおさらいとしてもよかったと思います。

頭金の貯め方についてガイドしてくれる章もありました。ぼんやりした記憶でネタバレしてしまうのですけども、物件価格の5%を貯めることができれば組めるローンがあります。25万ドルの家が欲しい場合、5%は1.25万ドルです。月に何とかして200ドル貯金しましょう。服を1着買うのをsaveすれば75ドル節約できます!1年経てば2500ドルくらいは貯まります。あと1万ドル足りないのでそれはおばあちゃんからもらいます!というようなことを言っていて笑ってしまった。

何度も見たサイト

Rent vs buy - what's right for you?
https://www.nerdwallet.com/mortgages/rent-vs-buy-calculator
私が直前まで住んでいた賃貸の部屋(限界アパート)はとても好条件で、ここに住み続けられる限りはお金の面では賃貸でもいいのかなと思っていた。
しかし買ってもいいと思う家が見つかり、予算内のオファーが通ったことは縁があったということかと思い、それを分かったうえで流れに乗って買うことにした。居住体験はおそらくいいだろう。エクイティは貯まるかもしれないがキャピタルゲインにはあまり期待していない。

Redfin

サングラスの通販さえうまくいかないアメリカで、この(心労はあったが)うそみたいにスムーズな購買体験そのものに2万ドルくらいの価値があるように思った。ありがとうRedfin!

インターネット大好き

今回家を買えたのは直接対応してくれた人達のおかげであることはもちろんだけど、その基盤にはインターネットがあってのことだ。
インターネットありがとう。何かの形で貢献したいと思います。